プラトン=ヘーゲル=ユング
プラトン(ソクラテス)=ヘーゲル=ユング。
なぜなら、プラトンの対話篇は他者と他者の知の交換と言い換えることができるし、ヘーゲルの弁証法は正と負の対立構造であるし、ユングの錬金術の思想は対立する二者の関係と捉えることができる。ここでいう他者とは、了解不可能なXと仮に定義する。他者と他者の対立、あるいは交流による意味の発生との観点からプラトンもヘーゲルもユングも共通している。ひとつの他者では何の意味もなく、空虚があるだけである。だが空虚と空虚が互いに接近して交わるときに火花のように価値が出現する。これは関係にのみ意味があるということになりそうだ。ネットワークの中に価値があり、孤立した個には価値も意味もないということ。他者同士の結合には価値と意味が生じるが、唯一の他者は了解不可能なものなので存在さえ知られない。まして問われることもない。忘れてならないのは自分自身の裡にも相互に対立する要素を隠し持っているという事実である。だから人間は割れているのだ!
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