特殊商品

マルクス流にあらゆる物を商品で表せるとすると、その中にも特殊な商品と呼べるものが存在する。すぐに思い浮かぶのは、まず金(ゴールド)と書物と楽器である。金(ゴールド)は実用性がありそのまま無国籍貨幣になれる。黄金の輝きはいつの時代にあっても羨望の的である。腐らないし自由に加工ができる。一方で書物は他の商品と異なり得られる利益幅の変動が大きい。識字率の高い国では書物は威力を発揮するが、低い場所では書物は単なる紙の束に過ぎない。理解力の有無でも価値が変動する。書物に価値があっても読まれ理解されなければ無以下である。次に楽器であるが、これも書物と似て技術が伴ってはじめて本来の価値を産みだす。楽器は演奏家の水準が高度であればあるほど楽器そのものの価値以上になり得るが奏でる力量のないところでは玩具でしかない。労働力の議論は省略。

渋谷昌孝(Masataka shibuya)

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