カフカ・セレクション

なぜかわからないのだが、ちくま文庫のカフカ・セレクション(Ⅰ〜Ⅲ)を何度も読んでいる。理解したと思った途端に理解が逃げていくので、何度も読む羽目になる。未完の思考のかけらみたい。ユダヤ的な思考の卵のようにもとれる。マルクスの「経済学批判」も内容よりその思考方法が魅力的で殊に商品の章は圧巻。資本論も商品の項目がいい。知識よりも書かれた思考を学ぶという読書もある。内容の良し悪しに関係なく優れた考え方を学ぶ。優れた文体には優れた思考が内包されている。思考法そのものが獲得されるべき知識だから、書かれてある内容はどうでもいい。以上の理由により、なぜかわからないのに読むものがけっこうある。読む理由がわからないという意味。たぶん無意識がこれだ!といっている。

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