姿を隠している巨大な問題

小さな問題について詳しく知っているが、それを取り巻いている大きな問題について関心がないということは、つまり何も知っていないのと同じである。大きな問題の解決が小さな問題を駆逐する。意識されるどんな問題も些細なもので、大きな問題は俎上にすら挙がらないので意識外にある。そこでは未知の存在が無視されている。問われず注目もされないのが大きな問題の正体であるに違いない。もっとも重要な問題はいつも秘匿されている。巨大な問題が想定される一方で小事は見つけやすく、さらに数も多いから些細な問題に回答を与えることに気をとられてしまう。それらを幾ら解決しても想定されるべき巨大な問題が立ちはだかっているからには、取るに足らない仕事に過ぎない。だから想定されるべき巨大な問題について関心を示すことの方が大事であるように思える。全体が部分を包摂しているのだから。我々はいつだって部分に執着している事実を知ろう。小さな仕事をこなすよりも大きな仕事を発見して解決に導くようにしよう。実行するには大胆さと慣習に囚われない自由な発想と柔らかい頭をもつことが条件になる。

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