架空のパズル
架空のパズルがあり、そのひとつひとつのピースが一個の人生である。架空のパズルのどの箇所にピースをあてはめるのか。本来あるべきところにピースが収納されるなら成功したことになる。もし、ピースが居場所を見つけられなければ、失敗である。実存的な思想ではない。先天的に収まるべき場があることを前提とするからだ。探すのは本来あるべき姿であって、これからどうなるかとは関係ない。誕生の瞬間から本来あるべき場から段々と擦れが生じる。そして次第に遠ざかってしまう。出発のときに正しかったものが、知らぬ間に誤謬となっている現実に直面する。もともと大きな架空のパズルの一部分であったものが、そこから離脱して冒険していたのだ。外界が魅力的にみえたのであろう。しかし、もういい!本来のあるべき姿に戻ろう。離脱の間に形が変わってしまったのなら、もとの形に直してから戻ろう。そうしないと架空のパズルの部分になり損ねる。このパズル自体が変わっている可能性もある。そのときは、本来の箇所を綿密に調査分析して、その箇所に収納されやすいようにピースの調整をする必要がある。では、パズルが消滅してもうこの世に存在しなかったら、という場合もある。そんなときは潔く諦めて彷徨い続けることが為すべき使命となる。
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