あまりに現代的な!

まずは読んでもらいたい。考えるのはそれからだ。
『「ああ」、と鼠が言った、「世界は日毎に狭くなってゆく。はじめはとても広くて、あまりの広さに不安だった。それから俺は先へ先へと駆け続けて、するともう彼方の右と左に壁がそそり立ち、そしていまじゃーだって走りはじめたのは、そう昔のことでは全然ないというのにー俺は約束された部屋のなかにいて、しかもあそこの角には罠が仕掛けられてあり、そこに俺が駆け込んでゆくというわけだ」。「お前は走る方向を変えるほかないね」、と猫は言い、鼠をペロリと食べてしまった。』
カフカ・セレクションⅢ(ちくま文庫)より。

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