日銀リポート。2019.9

銀行の存在意義を根本から見直す。「日銀が9日に発表したリポートによると、金融とIT(情報技術)が融合したフィンテック企業が決済情報を押さえることで、銀行の役割を一部代替していく。という見方を示した。さらに会計ソフトを提供するフィンテック各社は、企業間の取引や支払いなどの一次情報を即時取得できる。情報がまとめられた財務諸表ではなく個別の取引を把握できるため、財務諸表の改竄リスクを抑制できるともリポートは指摘した」(日経新聞社2019．9.10)。フィンテック企業に十分な資金はなく資金供給は従来通り銀行が担う部分が大きいというが、人手不足とAI技術が加わればフィンテック企業の台頭は避けられない。これまで銀行が独占していた金融取引などの情報をこれらの企業も共有することになる。これは大きいと思う。特に中小零細企業では人員を割いて財務諸表の分析や融資審査をするには金利収益に対してコストが見合わなかったが、フィンテック企業の参入によって簡易にできるようになれば銀行の役割がその一部を失うことになる。意味するところは銀行の権限が縮小するということ。個人的にはAIによる金融業務の自動化がどこまで進むのかに興味がある。ほぼ全自動になった場合に銀行は銀行と呼べるのか。フィンテック企業が既存の銀行を駆逐する可能性もある。そうなれば必ずしも銀行にお金を預ける必要はなくなるかもしれない。勿論法律の改正を待たなければならないが。銀行の特別扱いは今後も続くのかどうかも疑問。銀行が本来有する信用の一部がフィンテック企業に委譲される。銀行とはいったい何なのか？トレンドとしては銀行の存在は小さくなるというのが常識的な見方だろう。フィンテック企業を皮切りにLINEなどに金融業務が続々と移行していく予感がする。これから考えるべき重要なテーマ。日本人は銀行が好きだからね。