夜の言葉

能力を最大限に発揮するためには病気を回避しなければいけない。場合によっては悪行さえすることも厭わない(自己の内面の悪を直視して受容するだけでもいいかもしれない)。次の文章はフロイトの講義での言葉。
「…だが、いったい、みなさんは、人間の本性のどこかに利己的な悪が関与していることに反対する義務を感じなければならぬほど、上司や同僚から親切を受けたり、敵に義侠心を見出したり、社会から嫉妬心を向けられずにすんだりしているのでしょうか。また、普通の人間というものは、性生活のあらゆる問題に関して、どんなに抑制力がなく、どんなに信頼できないものであるかを、みなさんはご存じないのですか。それとも、私どもが、毎夜、夢のなかでみるあらゆる逸脱や放埓が、目覚めている人間によって日ごと犯罪として現実におこなわれていることをご存じないのでしょうか。精神分析がここでいっていることは、プラトンが言ったことば、すなわち善人とは悪人が現実にしていることを夢にみて満足している人間である、ということ以外のなにものでもありません。」
精神分析学入門より抜粋

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