サー・F・M・イーデン

『貧民の状態、イギリスにおける労働階級の歴史』から。

「われわれの地帯では、欲望の充足のためには労働を必要とし、それゆえに、社会の一部は、倦まず労働せねばならない。…若干の人々は労働しないで、しかも、勤勉の産物を自由に処分しうる。しかし、これらの財産所有者は、このことを、一に文明と秩序とに負うているのであって、彼らは全くブルジョア的諸制度の被造物である。なぜならば、これらの制度が、労働以外の手段で労働の果実を獲得しうることを承認したのだからである。独立の財産を有する人々は、彼らの財産を、ほとんど全く他人の労働に負うているのであって、他人の能力にまさるところの少しもない彼ら自身の能力に負うているのではない。富者を貧者から区別するものは、土地や貨幣の所有ではなく労働にたいする支配力である。…貧者に適合するものは、劣悪な、あるいは奴隷的な状態ではなく、安易で自由な従属関係であり、財産を有する人々にとっては、彼らのために労働する者にたいする充分な影響力と権威とである。…かかる従属関係は、人間性を知る者なら誰でも知っているように、労働者自身の安楽のために、必要なのである」

マルクスの「資本論」より第7篇「資本の蓄積過程」の第23章「資本主義的蓄積の一般法則」より。

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