経由するものとしての仕事
企業にとっても消費者にとっても、いいことは、必要なものを必要なときに必要なだけ利用できること。企業にとっては生産したものが適切に消費されること、在庫がなくなるのが最も理想的である。在庫をつくるために働くのでは働いていることにならない。直接消費者に必要な分を提供するのが優先されるべきだ。労働の成果は顧客にストレートに提供され消費されるようにすることで完結する。仕事は顧客を無視した自己の収入のためにするのではない。そうではなくて顧客の利益になって初めて収入になるのだから、目的はあくまでも顧客の消費活動に働きかける努力にある。あたりまえなことだけれども、顧客の視点に立って仕事を進めないといけない。ただむやみやたらと仕事をしていてもその労力がどこに向かっているのかを知らなくては空回りしているだけ。仕事をすれば満足だ、というのは自己満足の域をでない。労働の成果が消費者を経由しなければ、ほんとうの意味で労働したとは言えない。なんと無駄な仕事に溢れていることか!確かに自己の充実感を満たすのも仕事の効用のひとつではある。しかし、自分の仕事がたとえ全体の歯車の一部に過ぎないにしても、歯車がどの部分にあって、どのような役割を担当しているのかは把握しておくべき。一介の労働者であっても、経営者の考えを共有しなければ日々の単調な仕事だけが目に前にあるだけで、全体像が見えないから未来に対して積極的になるのは不可能になる。仕事は一方向に飛んでいくものではない。必ず顧客に至ってのち、またこちらに向かって再度戻ってくるものなのだ。なんでこんなことを喋るのかというと、仕事が仕事として独立していると思っている人がいるように思うからで、それはちょっとと違うのでは…と考えるからなんだけれども……。
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