想定される適正価格という幻想
物には価格があるが、ここで想定される適正価格を基準にして、これをゼロと考える。想定される適正価格とは適切に評価された仮の価格である。仮に適切な評価が下るなら、という意味である。すべての物はこの適正価格よりも高いか若しくは低いはず。なぜなら物が適正価格になることは極めて稀だから。時間と価値観の推移、技術の進歩などのファクターにより評価はころころ変わる。重要なことは、いま適正価格と評価されている物が実際には、想定される適正価格よりも高いこともあるし、逆に低くなっていることもあるということ。つまり価格において常に騙されている。あくまでも基準となるのは想定される適正価格だが、これは動的であり常に動く。だから想定される適正価格など誰も知らないと言ってもいい。想定を予測と言い換えてもいい。正確な予測など誰もできない。だが仮説として存在する。ゼロとなるべき想定される適正価格よりも低い物は想定される適正価格に向かう上昇圧力を受ける。反対に高い物は想定される適正価格まで下降するような圧力を受けるだろう。私感であるが労働力だけが唯一、どの時代に於いても想定される適正価格よりも低く見積もられていると思うがどうか。それだけ労働力は特殊な商品とも言える。この謎の商品は何故いつも低く評価されるのだろうか?
0コメント