contact「宇宙人の見つけ方」

宇宙人とのコンタクトについて考えてみよう。そんな真面目な話ではない。宇宙人がいるか否かと問うとき、既にそこに宇宙人の観念が含まれている。問う者のなかに宇宙人のイメージが想定されている。イメージから外れるものは宇宙人から除外されるというわけだ。これでは見つけるのではなく選択だ。また宇宙人の「人」とは何を語っているのだろうか。どうしても知性的な生命体を想定してしまいがちである。知性的といっても人を基準にした知性であるから範囲が狭すぎる。人間ですら現代人が未開人の知性を誤解する始末であるから。宇宙人を見つけるとは、同時に人間存在の呪縛からの逃避に成功したことに等しい。宇宙人は人類にとって他者である。ここで他者とは、了解不可能な存在としておく。宇宙人が、どんな存在様式なのかは解らない。どのように存在しているのか、それさえも解らない。カタチがあるのかどうかも解らない。カタチがあったとしても確率的にしか知覚できないかもしれない。常に存在するものではなく存在を消したり出現させたりするかもしれない。個としてあるのではなしに同時に多数としてあるかもしれない。人間の一般的な知性の概念から離れているのなら、知性では認識できない。これらは人間の視点で仮定できるものに過ぎない。宇宙人を見つける方法(?)は、宇宙人がどのような他者なのかという想定そのものを限りなくゼロに近づけることが条件になる。もう地球上に宇宙人はいるのに、存在の了解が不可能なためにまだ宇宙人はいないと言っているだけかもしれない。存在していても了解不可能なものは非存在とみなされる!
2020.2.29現在。新型コロナウイルスという他者の襲来を受けている。これは宇宙人の襲来とは言えないが、いまのところ「解らないもの」が生命を脅かしているという意味では、他者の襲来と言える。どの程度のウイルスなのかも解らないから対策に限界がある。そして「解らなさ」が知られるようになるとパニックになる。けれども初めは他者であることに違いはないが、時間の経過とともに他者性は薄れる。なぜならウイルスはもう標的になっているから。未知との遭遇はいつでもパニックであった。

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