ベーコンハンバーグ

ベーコンの「学問の進歩」より。
精神の鍛錬を賢明に規制する教則として次の四つを列挙している。
  • はじめに、むずかしすぎるか、やさしすぎるような仕事をひきうけないように気をつけよということである。というのは、あまりむずかしいと、自信のないひとの場合には落胆させ、自信のあるひとの場合にはあまくみる考えとそれゆえに怠け心をおこさせ、どちらのひとの場合にも、長つづきできそうもない期待をいだかせ、こうしてついに不満を生み、また反対に、あまりたやすいと、なにか大きな仕事をなしとげ征服する期待をわかせないからである。
  • すべてのものごとは主として二つの異なった時に、一つはもっとも気のりのしている時に、もう一つはもっとも気のりうすの時に行うということであるが、それは、気のりしている時に大きな進歩をとげ、気のりうすの時には奮励努力することによって精神の結ぼれやしこりをとり除き、その中間の時をそれだけきらくに楽しくするためである。
  • アリストテレスがついでに述べていることであるが、われわれが生まれつきそれへの傾向をもっているものとは反対の極端に向かうべきだということである。それは流れにさからってこぎ、あるいは自然の彎曲と反対に曲げることによって杖をまっすぐにするのと似ている。
  • めざすことが、第一目標とせずに、いわば「他のことをしながら」なされるなら、それがどういうものであろうと、精神はどんな仕事でも、いっそううまく気持よく楽しくするようになるのであるが、それというのは、精神が必然と束縛を生来にくむからだということである。

0コメント

  • 1000 / 1000