2022.07.26 15:22善悪になる以前善悪という事実はないことについての考察。ないというのは善悪は事実の解釈であるから、事実自体にそもそも善悪はないであろう。おかしな話のように聞こえる。事実はあると認めるとしても、事実の裸そのものについて善や悪はない。事実の裸とは、まだ意味や解釈の付与されていない純粋な事実のことである。どうしてこのような道筋に至るのかと言うと、まず、もっとも初めの段階においての事実と、それに与えられる意味を切り離して...
2022.07.22 16:12ヨーゼフ・Kフランツ・カフカについて。人生のある時期に集中的に読む作家たちがいる。文学に限るなら(あえて日本人を除外すると)まずゲーテ、シェイクスピアに10年。ドストエフスキー、A・ポー、プルーストに同じく10年くらいつき合っているが、今はほとんど読んでいない。面白いことに新鮮な10代のころに没頭したものは、パスカルとルソーとモンテーニュ。それからプラトンとセネカに加えてニーチェであり、これらが原点になってい...
2022.07.10 15:08謎なぞ言葉は不思議である。読むのも書くのも不思議である。言葉を読んで理解するということがそもそも不思議である。言葉を読んでいて言葉それ自体に意識があるときは理解はしておらず、言葉を媒介にして想起されるものによって理解が可能になる。言葉に集中してしまうと言葉からの想起が難しくなる。理解する瞬間には言葉はもう忘れ去られていなくてはならない。例を挙げよう。ピアノを弾くとき両手を使うが、ふつう楽曲のほうに意識が...