2020.11.29 14:56彼シリーズ「絶望特急」彼は、この危機のあいだに大回転を開始した絶望が疾走する!悲しみの駅を、次々と通過して絶望特急だけが、光輝を放ちながら滑るように飛ぶ風景はますます希薄になり後退してゆくただただ、疾走疾走の連続と「失踪」どこに向かって?目的地がないからこそ回転速度が高まる逃走して駆け抜ける!胸に大いなる空虚を抱えながら闇の中を一目散に走る絶望を唯一の燃料として、空虚を運ぶのだ。現在という名の主が、鞭を打って彼を無目的...
2020.11.10 13:42産婆術ジャック・デリダ「散種」の「プラトンのパルマケイアー」より、抜粋からはじめよう。「…限界の難問が立ちふさがる。つまり『ティマイオス』のときと同じように、同と他、一と多、有限と無限といったものの構成という難問にぶつかるのだ。…太古の人々はわれわれよりも優れていて、神々のもっとも近くで生きていたが、彼らはわれわれに次のような言い伝えを授けた。すなわち、存在すると言いうるおよそすべてのものは一と多からで...
2020.11.03 11:50人間偏差値人間偏差値が既に作成されたという前提で、その次に興味があるのだが、いきなり戸惑うのではないかとの老婆心から、まずは人間偏差値から説明を試みたい。学校や企業あるいは、法人などの組織の評価に偏差値に類する数値が与えられている。企業などの組織も学校ほど詳細ではないが、おおよその数値はだせる。人間偏差値とは、個々の個人に与えられる数値である。新聞等の情報を整理するならば、中国という共産圏でこの試みは急速に...
2020.11.01 15:01パロール的知恵とエクリチュール的知恵知恵について考えてみよう。知恵の必要性をよく承知しているのに、現実には知恵が欠けている。それでも将来的に知恵の獲得を狙っているから(知識の獲得ではない!)、考えるのである。知恵には二種類あることに気がついた。仮にそれを、パロール的知恵とエクリチュール的知恵と呼ぶことにする。もっとわかりやすい言葉で表現するなら、社長的知恵と書物的知恵と言い換えることもできる。(わかりやすくして誤解が大きくなるのを知...